オウンドメディアって何?サイト立ち上げ前に知っておくべきこと!
近年「オウンドメディア」というキーワードを耳にしませんか?マーケティング界隈ではかなり注目され、多くの企業がオウンドメディアに取り組んでいます。いったいオウンドメディアとは何なのか?目的や活用法は?今回はオウンドメディアについて解説をしていきます。
オウンドメディアって何?
企業の広報や広告担当の方は、「オウンドメディア」という言葉をよく耳にするようになりました。
いったいオウンドメディアとは何なのでしょうか?
オウンドメディアの定義について解説と、メリットとデメリット、そしてトレンドについて説明していきます。
オウンドメディアの定義
オウンドメディアとは「自社が所有するメディア」という意味となります。
例えばホームページやブログ、SNS(TwitterやFacebookなど)などです。
企業側の都合でコンテンツを発信するのではなく、ユーザーの目線に立ち、ユーザーが読みたいと興味を持ってもらえる情報を発信する事が非常に重要だと言えます。
つまり、オウンドメディアの定義は「企業が発信したい情報を、ユーザー目線で発信するメディア」と表す事ができるでしょう。
オウンドメディアのメリットとデメリット
オウンドメディアを活用するメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリットは以下の4点です。
- 広告宣伝費のカット
- 圧倒的なブランディング
- 顧客のロイヤルティを高められる
- 幅広い地域を対象にできる
紙を用いらない、webのみで完結できるため、広告宣伝費の経費削減となります。
ブランディングはしっかりと構築する事で、売り込まなくても信頼され、成約率も上がっていきます。
ロイヤルティはビジネスにおいて大事な要素の一つです。
顧客に良い印象を与え、リピートに結びつきます。
そして日本全国に留まらず、世界にも発信できる幅広い広報活動もできます。
しかし、もちろんデメリットもあります。
それはすぐに結果が出ない「即効性の乏しさ」です。
そして、コンテンツの企画・編集、校正及び入稿、スケジュール管理に効果検証と「運用が大変」という2点です。
しかし、長期的な視点で見ることができれば費用対効果は大きいと言えます。
オウンドメディアのトレンド
オウンドメディアが注目を集める様にとなったのは、2011年〜2014年にかけてTwitterやFacebookなどのSNSが海外で普及した為です。
多くのユーザーを集められる事から、それをビジネスで活用しようと、ソーシャルメディアマーケティングがブームを呼びました。
その後、ソーシャルメディアだけでは自社のビジネスの成果に繋がりにくい、という事がわかり、ウェブサイトのコンテンツメディア化をし、検索エンジン対策やSNS対策を併せて実施する手法が登場しました。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアの目的は「企業・製品・サービスを認知してもらう」と「企業・製品・サービスを好きになってもらう」の2つとなります。
下記にてそれぞれの詳細を説明いたします。
企業・製品・サービスを認知してもらう
まず、自社の商品やサービスを利用してもらうためには、自社や自社の製品・サービスを認知してもらう必要があります。
いくら企業や製品・サービスの情報を充実させても、潜在顧客が自発的にサイトを訪れる事に直結するとは限りません。
ペイドメディアとオウンドメディアの2つの入り口を運用する事で、より幅広い潜在顧客に接触する事が可能となるのです。
企業・製品・サービスを好きになってもらう
企業や製品、サービスのページだけでは伝えきれない「思い」をコンテンツ配信で伝える事により、上記で接触した潜在顧客を見込み顧客に変え、優良顧客(リピーター)に育てていくことも可能です。
潜在顧客への露出にTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを活用している事が多いですが、「ストック」と「検索エンジン」という」2つの弱点があるのも事実となります。
そのSNSの弱点をカバーしてくれるのがオウンドメディアでのコラムや記事作成です。
オウンドメディアが注目される理由
では、オウンドメディアが注目される理由は何なのか。
主に、以下のの4つの理由が挙げられます。
- 情報化社会による広告効果の低下
- グーグルのアルゴリズムの変化
- コンテンツの流動化
- メディア環境の変化
ここでは、上記それぞれの内容を詳しく説明します。
情報化社会による広告効果の低下
まず第一に、「従来の広告方法では通用しなくなってきている」という事です。
消費者の広告無視や、広告に対する反応が薄くなってきているのが現状です。
2000年頃に比べ、現在の広告クリック率は10%から1%以下に低減しているのです。
また、スマートフォンの広告ブロック機能の搭載など、従来の広告方法では効果が低下してしまっている為、オウンドメディアが注目される様になったのです。
グーグルのアルゴリズムの変化
従来、検索エンジン(SEO)は、SEO専門業者に依頼し、自社のサイトにリンクをはってもらう被リンクという手法が主流でした。
しかし、検索の大手企業であるグーグルが取締りを強化。
「パンダ」や「ペンギン」、「ハミングバード」と言われると呼ばれる多くのアルゴリズム変更を行った為、現在では質の高いコンテンツが上位に上がる様になっています。
コンテンツの流動化
企業はこれまで即効性の高いリスティングに依存していました。
しかし、ユーザーは広告をクリックしなくなっています。
2012年時点の調査では、自然検索は広告の4倍もクリックされているのにも関わらず、使われているお金はリスティングの1/10となっていたのです。
現在で、企業はリスティング広告予算を抑え、自然検索からの流入を増やす為の投資を増やしています。
リスティングと違いオウンドメディアは、投資をしただけ資産になり、オーガニックからの流入が増やせる為、今後も取り組む必要があります。
メディア環境の変化
今では日本でも、TwitterやFacebookなどのSNSが広く普及しています。
質の高い記事は、ユーザー自らSNSでシェアするのが一般的になり、口コミ経由で記事が伝わる様になりました。
また、グノシーやスマートニュースなどのキュレーションメディアですが、記事をまとめるアルゴリズムは、SNSのシェア数の多い記事を中心に選ばれています。
オウンドメディアで質のいいコンテンツを作る事で、SNSやキュレーションメディアなどに表示される様になるのです。
オウンドメディア活用法
オウンドメディアの活用方法は企業や個人が提供する商品やサービスによって様々です。
「サッポロビール」「ietty」「住友不動産」の3社の事例をもとにオウンドメディアの活用法を説明します。
コンテンツを資産化して広告依存から脱出する
「サッポロビール」では、「コンテンツを資産化して広告依存から脱出する」という方法をとっています。
“ビールの答えが見つかるウェブマガジン”をテーマにビールのトリビアやビールと相性のいいレシピ、ビールの楽しみ方など、様々なビールの魅力をコンテンツを使って伝える事を目的にオウンドメディアを運用しています。
既に認知度が高い商品である為、直接的ではなく、間接的に商品の販売促進を設計しているのです。
ソーシャルメディアを活用して情報を拡散する
不動産賃貸関連サービスを提供する「ietty」では、コンテンツによるSEO及びソーシャルメディア経由の集客から会員登録までをオウンドメディアの活用で実施しています。
一例として、一見関係ない様に見る「ラーメン二郎がある駅」をまとめた記事を拡散させる事で、賃貸物件の検索に欠かせない「駅名」での自然な被リンクの獲得を狙ったりと、競合他社との差別化を図っています。
サービス認知・ブランドリフトによる中長期の顧客育成
「住友不動産」では、賃貸オフィスサービスに対する顧客接点の構築などを目的に運用されています。
立地やテナント情報、ターゲットとなるビジネスパーソンに役立つ情報を展開しています。
オフィスビルのスペックを直接アピールせず、人や組織に焦点を当て、働き方や採用方法などターゲットの共通関心事について事例を伝え、間接的にオフィス賃貸サービスの認知獲得、理解促進を狙っています。
まとめ
今回はオウンドメディアについて解説しました。
会社やサービス、商品、目的などオウンドメディアの活用方法は様々です。
明確な狙いのもと活用することで、大きな費用対効果が見込めます。
オウンドメディアの運用を検討している企業の方は参考にして頂ければと思います。