今や業種・業態に関わらず、どの企業もWebサイトを持っていることが当たり前の時代です。
Web業界の需要はますます高まり、コロナ下の状況でも市場は順調に拡大し続けています。
一口にWeb業界といっても、ライター、デザイナー、プログラマーなど、職種はさまざま。
今回は、そのなかでもとくにWebサイト制作で重要な役割を担っている編集ディレクターについて仕事内容と必要なスキル、年収情報から採用する際のポイントまでご紹介します。
編集ディレクターの仕事はWeb制作における「管理業務」
編集ディレクターの主な仕事内容は、Webサイト制作における「リソース・スケジュール・品質の管理」です。
Webサイト制作には、ライター、デザイナー、プログラマーなどさまざまな役割を持ったスタッフが関わります。
スタッフ数はときに数十人にのぼり、知識や考え方も異なるなかで、チームをまとめ、クライアントが満足する品質のWebサイトを制作することは並大抵のことではありません。
編集ディレクターは、制作チームとクライアントの間に立ち、全体の指揮統率をとりながらプロジェクトを成功に導いていく、いわばWebサイト制作の総監督です。
そんな編集ディレクターは、日々チーム内のさまざまな管理業務を行っています。
所属する会社の業態(Web制作、EC運営、広告代理点など)により多少のちがいはありますが、ここでは編集ディレクターの代表的な3つの管理業務をご紹介します。
- リソース管理
先述のとおり、Web制作にはさまざまな役割を持ったスタッフが関わります。
クライアントが満足するWebサイトを制作するには、必要な作業を洗い出し、各人が持つスキルを見極めたうえで、適材適所で人材を配置しなければなりません。
編集ディレクターは、プロジェクトに必要な人材をアサインし、工数を管理しながら、制作チームが効率的に稼働できるように調整する役割を担っています。
- スケジュール管理
一般的にWebサイト制作では、クライアントへの納品期限が設定されます。
納期はWebサイトの使用目的やクライントの内部事情などを踏まえ決定されるため、遅れることはいかなる理由があろうと通常許されません。
編集ディレクターにはスタッフの工数を考慮し、無理のない範囲でスケジュールを組み、納期までに制作を完了させるよう進捗を管理することが求められます。
また、万が一遅れが生じた場合には外部スタッフの雇用や、クライアントと納期の交渉を行うことも必要です。
納期と進捗状況に合わせて柔軟な対応ができるかどうかが、編集ディレクターの腕の見せ所です。
- 品質管理
ここまで、リソース・スケジュール管理についてご説明しました。
どちらもWebサイト制作にとって重要な業務です。
しかし、優秀なスタッフを集め、適切なスケジュールに沿って作業をしていても、クライアントが求める品質に届かない場合があるのがWebサイト制作の難しいところ。
原因はクライアントとの認識齟齬や、コンテンツ内容の裏取り不備などさまざまですが、編集ディレクターにはこうした問題に対処しWebサイトの品質を担保する責任があります。
そのため、編集ディレクターはクライントと密に連携をとり、コンテンツの品質を確認しながら、必要に応じて新しいアイデアの企画・検証などを行います。
3つの管理業務はそれぞれ独立しているものではなく、互いに影響しあっています。
たとえば、リソースが足りなければスケジュールに影響が出ますし、無理なスケジュールを立ててしまえば、制作物の品質に影響します。
編集ディレクターには、これら3つの管理を互いの影響を考慮したうえで柔軟にこなしていく手腕が求められるのです。
編集ディレクターに必要なスキル
ここでは、編集ディレクターに必要なスキルをソフトとハードの両面から3つずつご紹介します。
編集ディレクターに必要なソフトスキル
- コミュニケーションスキル
スタッフ達へ指示を出したり、情報共有や制作状況のヒアリングなどを行うには、コミュニケーションスキルが不可欠です。
コミュニケーションが疎かだと、スタッフ間の認識齟齬を生み、クライントからの信頼喪失につながることも。
編集ディレクターにとって、もっとも重要なスキルといっても過言ではないでしょう。
- 問題発見スキル
Webサイト制作の過程では大小さまざまな問題が発生します。
技術的な問題であれば、現場のスタッフが気がつき対処できることも多いでしょう。
しかし、クライントとの要望のずれや、全体を俯瞰してはじめて明らかになる問題など、編集ディレクターにしか気がつくことのできないものもあります。
土壇場でそれが浮き彫りになり、プロジェクト全体に深刻な影響を与えてからでは取り返しがつきません。
プロジェクト全体を俯瞰する編集ディレクターには、そうした潜在的な問題を拾い上げるスキルが求められます。
- 情報収集スキル
Web業界では、サーバー、データベース、プログラミング言語など、最新の知識・技術がつねに更新されています。
そうした知識に疎いと、スタッフとの協議や、クライアントへの企画提案もままなりません。
編集ディレクターは、インターネット、書籍、セミナーなど、多様なチャネルを通して、膨大な情報をつねにキャッチアップし続けることが必要です。
編集ディレクターに必要なハードスキル
- Web制作スキル
Web制作で実際に手を動かすのは、ライター、デザイナーなど各分野の専門家たちです。
そのため、編集ディレクターがデザインやプログラミング言語に対してプロ並みの知識をみにつける必要はありません。
しかし、スタッフに指示を出したり、技術的な問題について協議する場合には、やはり制作に関する知識・スキルがあったほうが情報のやりとりもスムーズになります。
編集ディレクターは、チーム内のコミュニケーションを円滑にするためにも、最低限のWeb制作に関する知識・スキルを身につけておいたほうがよいでしょう。
- Webマーケティングスキル
Webサイトは制作して終わりではなく、サイトの目的に合わせて適切なマーケティングを行わなければなりません。
マーケティングも、編集ディレクターが直接作業するケースは稀ですが、担当者と打ち合わせするうえで、マーケティングの知識・スキルはあったほうがよいでしょう。
- ドキュメント作成スキル
編集ディレクターの仕事には、資料作成がつきものです。
クライアントの要望をまとめる要件定義書、企画提案のためのプレゼン資料、進捗管理のための管理表などは、編集ディレクターが作成します。
誰が見てもわかりやすく、使いやすい資料を作成することも、編集ディレクターに求められるスキルのひとつです。
編集ディレクターの平均年収
Web業界の拡大にともない、編集ディレクターの平均年収は近年増加傾向にあります。
【出典:doda「平均年収ランキング」】
求人全体の平均年収が下がるなか、編集ディレクターの平均年収は逆に上昇している状態です。
もちろん個人差はありますが、ここ5年間での相場は「447万円」と、他職種と比較しても給与水準は高い傾向にあるでしょう。
また、IT業界は年功よりも実力で給与が決まる場合が多いため、若者にとっても夢がある職業といえます。
編集ディレクターを採用する際のポイント
編集ディレクターはWebサイト制作において必要不可欠なポジションであり、近年その需要も高まっています。
同時に求職者も増えているため、採用する側は応募者のスキルや内面を十分吟味して、自社にマッチする人材かどうかを見極めねばなりません。
ここでは、編集ディレクターを採用する際のポイントを、未経験者を採用する場合と、経験者を採用する場合でそれぞれ分けてご説明します。
- 未経験者を採用する場合
実は、未経験者から編集ディレクターに転職するケースは珍しくありません。
編集ディレクターに必要なスキルは、一般的な社会人経験があればすでに身についている場合も多く、他業種の出身者でも研修を受ければスムーズに業務遂行が可能だからです。
とくに、プログラマーなど前職でWeb制作に携わっていたり、プロジェクト管理や資料作成の経験が多いコンサルティング会社出身者などは魅力的な応募者といえるでしょう。
未経験者を採用する場合は、前職の経験で編集ディレクターに必要なスキルがどの程度身についているのかを見極めることが大切です。
- 経験者を採用する場合
前職で編集ディレクターの経験がある人を採用する場合、前職での華々しい経歴や履歴書に書かれた豊富な知識・スキルに惑わされないように注意してください。
過去に大規模案件を担当していたり、豊富な知識を持っていたとしても、自社が求める人物像とマッチしないことは多々あります。
過去の案件で具体的にどんなことに気をつけて仕事をしていたか、応募者の人間性など、履歴書に表れない部分にも目を向け、多角的な視点で判断することが大切です。
編集ディレクターの業務は年々多様化しており、1人ですべての業務をこなせる人材は少なくなってきています。
なかなか求める人材が見つからないときは、それぞれの分野の専門知識を持つ複数のディレクターを一度に雇い、チームとして業務を遂行することも視野にいれてみてください。
編集ディレクターは今後ますます注目が集まる職業
企業の業種・業態に関わらずWebサイトを持つことが当たり前になりつつあるなか、
編集ディレクターはまさに時代に求められている職業といえるでしょう。
今後編集ディレクターの仕事の幅、求人数、給与はますます上昇していくことが見込まれます。
自社に合った敏腕の編集ディレクターを採用できれば、これほど心強いことはありません。
この記事が、編集ディレクターという職業について、皆さまの理解を深める手助けになれば幸いです。






