採用はオウンドメディアリクルーティングが主流になる?そのやり方は?
近年、「オウンドメディアリクルーティング」という新たな採用手法が注目されています。これまでの求人サイトに掲載する方法とは違い、自社の運営するメディアを軸にして採用活動を行う、新しい手法です。この記事では、「オウンドメディアリクルーティング」とはなにか、メリットやデメリット、始め方を詳しく解説します。
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オウンドメディアリクルーティングとは?
オウンドメディアリクルーティングとは、自社のメディア(オウンドメディア)を活用して行う採用活動のことです。
英語表記の頭文字を取って、「OMR」とも呼ばれています。
「オウンドメディア」は一般的に採用サイトを指すことが多いですが、自社の所持するSNSや動画投稿サイトなど、情報を発信する媒体も含めます。
また、「リクルーティング」とは採用活動のことです。
採用活動には募集から選考、採用までのプロセスがあり、それぞれに様々な手法があります。
そして、ターゲットや雇用形態も様々です。
実はリクルーティングという言葉には、たくさんの意味が含まれているのです。
この二つの言葉を合わせたオウンドメディアリクルーティングは、『自社のメディアを活用し、ターゲットに合わせた採用活動を行うこと』と言えるでしょう。
従来の求人サイトとの違い
これまでの求人サイトを用いた採用活動とオウンドメディアリクルーティングの大きな違いは、掲載期間や内容などに制限がないということです。
従来の採用活動は、求人サイトを用いて求職者からの応募を待つ形が主流でした。
しかし、求人サイトへ掲載する求人広告は、決められた文字数やデザインの範囲内でしか情報を載せられず、伝えたいことが限られてしまいます。
また、掲載されるのは契約期間だけなので限定的でした。
一方、オウンドメディアリクルーティングでは、採用に関するメディアを自社で保有しています。
そのため、文字数やデザイン、掲載期間などを気にせず、十分な情報を余すことなく掲載することができるのです。
自社の魅力を最大限に求職者へアピールし能動的に採用活動を進められることが、オウンドメディアリクルーティングの特長であり求人サイトとの違いになります。
今後オウンドメディアリクルーティングが主流になってくる理由
今後の採用手法は、オウンドメディアリクルーティングが主流になってくるでしょう。
ここでは、その理由について解説します。
求職者が企業のWEBサイトをチェックすることが今以上に増える
近年、スマートフォンの普及により、WEBでの情報収集がしやすくなりました。
現在では、インターネットで情報を検索することは一般的です。
求職者は、気になる求人情報があればより詳しい情報を求め、様々なキーワードで企業を検索するでしょう。
今後、求職活動で企業のWEBサイトをチェックすることが今以上に増えていきます。
せっかく興味を持って検索しても、オウンドメディアがなければ詳しい情報が得られず、応募まで至らないかもしれません。
欲しい人材や優秀な人材を採用できる
人材獲得競争が激しさを増す近年では、欲しい人材を採用することが難しくなっています。
そのため、求人広告を出して待つだけではない、新たな採用手法を増やす必要があります。
オウンドメディアで情報を発信することで、転職潜在層など広範囲の求職者にアピールすることができるでしょう。
また、専門的な知識やスキルを持った優秀な人材は、特定のキーワードを用いてより自分に合った企業の情報を集めています。
自社のオウンドメディアで専門的なキーワードを盛り込むことで、求職者に自社を知ってもらい、採用するチャンスが増えるのです。
このような観点から、今後の採用手法はオウンドメディアリクルーティングがスタンダードになってくると言えます。
オウンドメディアリクルーティングの5つのメリット
オウンドメディアリクルーティングを取り入れるメリットは以下の5つです。
- 自社の魅力を限りなく伝えられる
- 自社に適した人材を採用でき、ミスマッチが減らせる
- 常に情報を更新できる
- 効果を分析し、改善していける
- コンテンツを資産として残せる
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
自社の魅力を限りなく伝えられる
オウンドメディアリクルーティングの最大のメリットは、圧倒的な情報量を発信できることです。
職務内容や待遇だけではない自社の魅力を制限なく発信できるので、求職者へより魅力的な情報を伝えられます。
SNSや動画などの様々なツールを使うことで、より詳しく魅力的な情報を限りなく発信することも可能です。
自社に適した人材を採用でき、ミスマッチが減らせる
圧倒的な情報量を発信できるオウンドメディアは、企業理念や社風なども詳しく記載できます。
そのため、求職者は入社前から自社のことをより深く知ることができ、納得したうえで応募ができるのです。
また、募集職種についての仕事内容などもより詳しく記載できることから、必要なスキルを持った人材の採用確率が高くなります。
自社で活躍が見込める求職者の応募が増えることにより、お互いにミスマッチを減らすことにつながります。
常に情報を更新できる
自社で運用するオウンドメディアなので、常に情報を更新できることも大きなメリットです。
常に新しい情報が記載されていることは、求職者にとっても有益であると言えます。
また、結果が出ないときにアプローチする内容を変えてみる、というようなことも可能です。
効果を分析し改善していける
オウンドメディアは、効果を分析し課題を見つけ、改善していくことができます。
閲覧数や応募率だけでなく、検索されたキーワードなども知ることができるため、問題点が把握しやすいです。
問題点を見つけながら改善を重ねることで、採用活動により高い効果が期待できます。
コンテンツを資産として残せる
従来の求人サイトに広告を掲載する方法は、契約期間が過ぎると削除されてしまいます。
しかしオウンドメディアリクルーティングでは、自社のメディアを活用するため、コンテンツを資産として残していけます。
様々なコンテンツを増やし積み重ねていくことで、求職者に見つけてもらいやすくなる機会を増やすことにもつながります。
オウンドメディアリクルーティングのデメリット
良いことばかりに思えるオウンドメディアリクルーティングですが、デメリットと言えることも存在します。
代表的な二つを確認していきましょう。
オウンドメディアを運用するための知識や体制作りが必要
オウンドメディアを活用するため、自社で運営するための知識が必要です。
また、安定的に運営するための体制を整えなければいけません。
多岐にわたる業務を一人で担うことは難しいことから、それぞれの業務において専任の人員を確保する必要もあるでしょう。
軌道にのるまでのコストがかかる
オウンドメディアリクルーティングは、時間・金銭のどちらにもコストがかかります。
自社に採用サイトがない場合、作成することから始める必要があるため初期費用がかかってきます。
採用サイトがすでにある場合でも、コンテンツを充実させるための改修が必要になり、コストがかかるでしょう。
しかし、安定して応募者を得られるようになれば、採用サイトを利用するより費用対効果が高いと言えます。
オウンドメディアリクルーティングの具体的な始め方
ここからは、オウンドメディアリクルーティングを始めるための具体的な方法についてご紹介します。
オウンドメディアで発信するべきなのは、「どんなスキルや経験がある人を採用したいのか」「自社の魅力は何か」の2点です。
ここで紹介する内容を理解したうえでコンテンツを作成すれば、より魅力的に情報を発信でき、求職者にとっても価値がある情報になります。
募集職種の職務内容を具体的に洗い出す
まずは、募集する職種の仕事内容(ジョブディスクリプション)を明確にしましょう。
求職者が具体的なイメージをできるよう、詳細に記載することが重要です。
具体的な仕事内容や必要なスキル、責任の範囲などを明示することで、ミスマッチが減り、定着率の向上にもつながります。
また、詳細なジョブディスクリプションを記載することで、検索エンジンに表示されやすくなるというメリットもあります。
採用したいターゲットを明確化する
次に、採用ターゲットを明確にします。
採用ターゲットとは、「自社で活躍する可能性が見込める人材」のことです。
仕事内容を明確にすれば、自ずと必要なスキルや経験などが分かり、具体的な採用ターゲットを決められます。
採用ターゲットを明確にすることで、伝える必要のあるメッセージや作成するべきコンテンツなどを選定しやすくなります。
自社の魅力を洗い出しまとめる
続いて、自社の魅力を余すことなく洗い出します。
どんな小さなことでも良いので、まずは書き出してみましょう。
社員の皆さんに聞いてみることも、気付けなかった魅力の発見につながるかもしれません。
そして採用ターゲットの目線でどの点に魅力があるかを考え、それに沿った内容に絞り込んでまとめる方法がおすすめです。
他社と比較し、自社ならではの訴求点を明確化する
自社の魅力をまとめたら、他社と比較しましょう。
競合他社とは違う自社ならではの訴求点を見つけ、採用ターゲットが魅力的に感じるように差別化を図ります。
コンテンツを制作する
採用ターゲットに何を伝えるべきか明確になったら、改めてコンテンツについて考案します。
コンテンツの事例をいくつかご紹介します。
- 代表者の理念やビジョンが伝わる記事
- 社員紹介やインタビュー記事
- 福利厚生や働き方に対する取り組み・制度
- 社内の雰囲気がわかる写真や動画
上記のようなコンテンツを網羅することで、求人内容の透明性が高くなるため、求職者の応募率も高まります。
まとめ
オウンドメディアリクルーティングは、企業が自由に情報を発信できる、新しい採用手法です。
自社の採用サイトを十分に活用し、企業理念や社風にフィットした優秀な人材を採用できます。
しかし一方で、コンテンツを充実させ、軌道に乗るまでにはコストや時間がかかります。
サイトの運営と採用の両方が必要なので、アウトソーシングを行うことも一つの手段でしょう。
今後、採用手法のスタンダードとなるオウンドメディアリクルーティングをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。